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取引所ガイド — 2026-11-05 — 約14分

仮想通貨のレバレッジ取引とは?最大2倍のルール・ロスカット・6社の保有コストを実数値で比較

結論は「国内の個人向けは最大2倍、選ぶ軸は保有コストとロスカット基準」です。GMOコイン・bitFlyer・bitbank・SBI VCトレード・Coincheck・楽天ウォレットの6社を売買手数料・保有コスト・ロスカット基準・最小注文で比べ、証拠金10万円の損益と保有日数別の総コストまで試算しました。

仮想通貨のレバレッジ取引とは?最大2倍のルール・ロスカット・6社の保有コストを実数値で比較
ご注意:本記事は一般的な情報提供です。投資助言ではありません。本文に数値の例示がある場合は、執筆時点の情報に基づきます。実際の手数料・税制・条件は、各取引所の公式情報と最新の法令・税務情報をご確認ください。

結論:国内のレバレッジ取引は最大2倍、選ぶ軸は「保有コスト」と「ロスカット基準」

仮想通貨のレバレッジ取引は、証拠金を担保にして、預けた金額より大きな建玉を持つ取引です。日本国内では、個人向けのレバレッジ倍率は法令で最大2倍までと定められています。証拠金10万円なら、最大で20万円分の建玉が持てるということです。海外の取引所のように10倍や100倍の倍率は、国内の登録業者では選べません。

本記事の結論を先にまとめます。第一に、倍率はどの会社も最大2倍で横並びです。倍率の大きさで会社を選ぶ意味はありません。第二に、会社ごとの差が出るのは、建玉を持ち続けるコストと、強制決済されるロスカットの基準です。建玉の0.04%を毎日払う会社と、相場次第で受け取る日もある会社では、1週間・1か月の総額が大きく変わります。第三に、ロスカットまでの値動きの余裕も会社で違います。同じ証拠金10万円・2倍のショートでも、上昇約7%で決済される会社と、約25%まで耐える会社があります。

要点(結論):国内の個人向けレバレッジ取引は最大2倍で共通です。選ぶときは「建玉の保有コスト」と「ロスカット基準」を見てください。短期の売買なら売買手数料、数日以上持つなら保有コスト、下落を待つショートならロスカットまでの余裕が、それぞれ効いてきます。

この記事では、当サイトが掲載する国内8社のうち、レバレッジ取引を提供する6社について、公式ページなどで確認できた数値を並べます。GMOコイン、bitFlyer、bitbank、SBI VCトレード、Coincheck、楽天ウォレットです。Binance JapanとOKCoin Japanは、本記事の確認範囲では個人向けのレバレッジ取引の提供を確認できなかったため、比較表には載せていません。数値はすべて2026年11月5日に確認したもので、確認日と確認方法は最後の検証記録にまとめています。

レバレッジ取引とは?現物取引との違い

レバレッジとは「てこ」のことです。小さな力で大きなものを動かすように、少ない証拠金で大きな金額の取引ができる仕組みを指します。現物取引では、ビットコインを買うには買う分の日本円がそのまま必要です。レバレッジ取引では、建玉金額の半分(2倍の場合)の証拠金を預けることで、建玉を持つことができます。

もうひとつの大きな違いは、持つものが違うことです。現物取引ではビットコインそのものを買って保有します。レバレッジ取引では、ビットコインの価格変動に連動する建玉を持ち、価格差で損益が決まる差金決済が一般的です。建玉を持っていても、ビットコインそのものを自分のウォレットへ送ることはできません。買ったビットコインを送付したい場合は、現物取引を使う必要があります。送付の手数料については出金手数料の比較記事にまとめています。

図解1:現物取引とレバレッジ取引の比較
比べる項目現物取引レバレッジ取引
取引の対象ビットコインそのものを買って保有する価格変動に連動する建玉(差金決済が一般的)
必要な資金購入代金と手数料建玉金額の半分(2倍の場合)の証拠金
価格上昇時保有資産の価値が上がる買い建玉は利益、売り建玉は損失の方向
価格下落時保有資産の価値が下がる(評価損)買い建玉は損失、売り建玉は利益の方向
強制決済通常の現物保有にはない証拠金維持率などの条件でロスカットがある
保有コスト売買・送付の手数料など建玉の保有に伴う費用が日々かかる場合がある
最大損失の考え方買った資産の価値の下落が中心証拠金を超える損失が出る可能性がある

レバレッジ取引では「売り」からも始められます。価格が下がると見込めば、先に売り建玉を持ち、値下がりしたところで買い戻して利益を狙う取引です。現物取引だけでは、持っていないものを売ることはできません。下落局面でも取引の選択肢が増える一方で、売り建玉は価格が上がり続ける限り損失が増えるため、買い建玉とは違う種類の危険があります。詳しくは後の「落とし穴」の節で説明します。

2倍の損益を数字で見る――証拠金10万円・建玉20万円の計算例

2倍のレバレッジが損益にどう効くか、具体的な金額で確認しましょう。ここでは計算を分かりやすくするため、ビットコインの価格を1BTC=1,000万円と仮定します。これは計算例の仮定値で、実際の価格ではありません。証拠金10万円、レバレッジ2倍、建玉20万円(0.02 BTC)の買い建玉を持ったとします。手数料や保有コスト、ロスカットは考えないものとします。

図解2:買い建玉の損益計算(証拠金10万円・建玉20万円、BTC 1,000万円と仮定)
ビットコイン価格の変化建玉の損益証拠金10万円に対する割合
5%上昇(1,050万円)+10,000円+10%
10%上昇(1,100万円)+20,000円+20%
5%下落(950万円)-10,000円-10%
10%下落(900万円)-20,000円-20%

計算式は(決済価格-建玉価格)×数量です。5%上昇の場合、(10,500,000円-10,000,000円)×0.02 BTC=10,000円の利益です。建玉20万円に対する5%の変化が1万円の損益になり、証拠金10万円に対しては10%に相当します。価格の変化率に対して、証拠金を基準とした損益率が約2倍になるのが、レバレッジ2倍の意味です。

ただし、2倍だから利益が必ず2倍になるわけではありません。価格が予想と逆に動けば、損失も同じように2倍の速さで膨らみます。上の表で、10%下落すれば証拠金の20%にあたる2万円の損失です。価格が50%下落すれば、買い建玉の損失は10万円になり、手数料などを除けば証拠金と同額になります。現物取引で10万円分のビットコインを買った場合、50%下落しても損失は5万円ですが、レバレッジ取引では証拠金10万円の全額が損益の対象になります。損益の計算は「証拠金10万円に値上がり率を掛ける」のではなく、「建玉20万円の値動き」で決まることを、まず押さえてください。

要点(損益の考え方):利益も損失も、証拠金ではなく建玉金額を基準に計算されます。証拠金10万円・建玉20万円なら、価格が5%動くだけで証拠金の10%が動きます。建玉の数量を減らせば、証拠金に対する実質のレバレッジも下がります。倍率を下げることは、そのまま損失の上限を管理することです。

証拠金・必要証拠金・証拠金維持率の仕組み

レバレッジ取引では、口座にある資金と建玉の損益をもとに、取引を続けられるかが判断されます。ここで出てくる3つの言葉を整理します。証拠金は、レバレッジ取引の担保として預ける資金です。必要証拠金は、建玉を持つために求められる最低限の証拠金で、レバレッジ2倍なら建玉金額の50%が目安です。証拠金維持率は、有効証拠金を必要証拠金で割って100を掛けた割合で、建玉を保有し続けられる余裕を示す指標です。

証拠金維持率の基本的な考え方は、証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100です。有効証拠金は、預けた資金に未決済建玉の評価損益などを反映した金額です。実際の計算式は会社ごとに異なりますが、仕組みは同じで、評価損が広がるほど有効証拠金が減り、維持率が下がります。維持率が会社ごとに定めた水準を下回ると、追加証拠金の請求やロスカットが発生します。

図解3:評価損が広がると証拠金維持率が下がる(説明用の計算例)
建玉の評価損益有効証拠金証拠金維持率
0円130,000円130%
-20,000円110,000円110%
-40,000円90,000円90%
-60,000円70,000円70%

この表は、預けた証拠金を13万円、必要証拠金を10万円で固定した説明用の計算です。実際には評価価格の変動に伴って必要証拠金も変化する場合があるため、この表だけで追証やロスカットの価格を求めることはできません。ただ、考え方は伝わるはずです。評価損が2万円増えるごとに、維持率は20ポイントずつ下がります。維持率が100%を切ると追加証拠金の請求、さらに下がるとロスカットの水準に入ります。維持率の数字をこまめに見ることが、レバレッジ取引の基本動作です。

追証とロスカット――6社の基準を実数値で比較

追加証拠金(追証)とロスカットは、似ているようで別の仕組みです。追証は、証拠金が必要な水準を下回ったときに、追加で差し入れる必要が生じることです。期限までに不足を解消できなければ、建玉が強制決済されることがあります。ロスカットは、維持率などの所定の条件に達したときに、会社が建玉を強制的に決済する仕組みです。損失の拡大を抑えることが目的ですが、損失額の上限を保証する制度ではありません。

下の表が、本記事の中心となる6社の実数値比較です。売買手数料、建玉の保有コスト、ロスカットの基準、最小注文を並べました。ロスカット基準が「本記事では未確認」とある会社は、確認できていない数値を推測で書かないための表示です。安いからでも高いからでもなく、確認できていないから載せていません。利用する前に、必ず各社の公式の取引ルールで確認してください。

図解4:レバレッジ取引6社の実数値比較(2026年11月5日確認)
取引所(サービス)売買手数料建玉の保有コスト(1日)ロスカットの基準最小注文
GMOコイン(暗号資産FX)無料建玉の0.04%/日証拠金維持率75%未満0.001 BTC
bitFlyer(Crypto CFD)無料レバレッジポイント0.04%/日+ファンディングレート(8時間ごと)証拠金維持率50%0.001 BTC
bitbank(信用取引)Maker 0%/Taker 0.1%(新規・決済とも)建玉の0.04%/日証拠金維持率50%相当(建値基準)0.0001 BTC
SBI VCトレード(レバレッジ取引)無料(ロスカット手数料も無料)日々変わるファンディングレート型証拠金維持率80%以下公式の注文単位による
Coincheck(Coincheckレバレッジ)本記事では未確認本記事では未確認本記事では未確認本記事では未確認
楽天ウォレット(証拠金取引)Maker -0.01%/Taker 0%本記事では未確認本記事では未確認本記事では未確認

表の読み方のポイントを3つ挙げます。第一に、売買手数料が無料でも、費用がゼロとは限りません。GMOコインの暗号資産FXは取引手数料もロスカット手数料も無料ですが、建玉を1日持ち越すごとに0.04%のレバレッジ手数料がかかります。第二に、ロスカットの基準は会社で大きく違います。GMOコインは維持率75%未満、SBI VCトレードは80%以下、bitFlyerとbitbankは50%前後です。基準が高いほど、早い段階で強制決済されます。第三に、同じ会社でも商品が違えばルールも違います。GMOコインは暗号資産FXと取引所(レバレッジ取引)で、ロスカット手数料や取引手数料が異なります。商品の正式名称と適用されるルールを、必ずセットで確認してください。

GMOコインの暗号資産FXでは、維持率が100%未満になるとロスカットアラートが出て、毎営業日6時30分時点で維持率が100%未満だと追加証拠金の判定が行われます。ロスカットは維持率75%未満で発動します。bitFlyerのCrypto CFDでは、ビットコインを証拠金として預ける場合、その評価額は最終取引価格の50%で計算されます。ビットコインの時価が20万円あっても、証拠金として使えるのは10万円分ということです。bitbankの信用取引は2024年11月11日に始まった比較的新しいサービスで、利用には就業と収入の証明を含む申込みが必要です。SBI VCトレードは、保有する暗号資産を時価の50%で証拠金にできます。Coincheckの「Coincheckレバレッジ」は2026年9月24日に始まったサービスで、ビットコイン・イーサリアム・エックスアールピーの3ペア、最大2倍で、提供開始時点ではiOSアプリのみの対応です。

保有コストの総額試算――0.04%/日は1日・7日・30日でいくらになるか

レバレッジ取引の費用で、初心者が見落としやすいのが保有コストです。売買手数料が無料でも、建玉を持ち越すたびに費用がかかります。GMOコインとbitbankの0.04%/日は、建玉20万円なら1日80円です。1日だけなら小さな金額ですが、日々積み重なります。下の表は、建玉20万円を0.04%/日で持ち続けた場合の試算です。計算は建玉金額×0.04%×日数で、価格の変動やファンディングレートの変化は考えていません。

図解5:保有コストの試算(建玉20万円・0.04%/日、2026年11月5日時点の料率で計算)
保有期間保有コスト(建玉20万円の場合)建玉に対する割合
1日80円0.04%
7日560円0.28%
30日2,400円1.2%
90日7,200円3.6%
1年(365日換算)29,200円約14.6%

0.04%を1日単位で見ると小さく感じますが、年率に直すと約14.6%です。建玉を3か月持ち続ければ、価格がまったく動かなくても建玉の3.6%が費用で消えます。レバレッジ取引が長期投資に向かないと言われるのは、このためです。価格が動かなくても、口座の損益は毎日少しずつ悪化します。短期の値動きを狙う取引と、数か月単位の保有では、費用の重みがまったく違います。

ただし、保有コストの向きは会社と相場で変わります。bitFlyerのCrypto CFDは、レバレッジポイント0.04%/日を支払う一方で、ファンディングレートを8時間ごとに受け払いします。価格の乖離が小さい固定区間では、買い建玉が0.010%を支払い、売り建玉が受け取る仕組みです。SBI VCトレードのファンディングレート型も、相場次第で受け取る日があります。下の表は、2026年10月12日時点の試算と実績で、20万円分のショートを7日持った場合の保有コストです。

図解6:20万円分のショートを7日持った場合の保有コスト(2026年10月12日時点の試算・実績)
取引所7日間の保有コスト内訳の考え方
GMOコイン(暗号資産FX)560円を支払い建玉の0.04%/日を7日分
bitbank(信用取引)560円を支払い建玉の0.04%/日を7日分
bitFlyer(Crypto CFD)約140円を支払いレバレッジポイント560円の支払いから、ファンディングレート約420円の受取りを差し引いた目安
SBI VCトレード約28円を受け取る2026年10月5日〜11日は毎日売りが-0.002%(受取り)だった実績

この表の向きは、その時の相場で決まったものです。相場が変われば、受け取りが支払いに変わることもあります。ファンディングレートの向きは、建てる前に毎回確認してください。また、bitFlyerの受け取りは、CFDと現物の価格の乖離が小さい固定区間の場合の話で、乖離が広がると受け取りが減るか、支払いに変わることがあります。保有コストは「会社ごとに固定の値段」ではなく、「相場で変わる値段」として扱うのが正確です。

ロスカット価格の目安――同じ2倍でも会社で7%と25%の差

ロスカットの基準が違うと、実際に決済される価格も変わります。証拠金10万円・2倍(20万円分)のショートで、ロスカットまでの上昇幅を各社の基準で計算した試算があります。売った時点の価格を1,322万円(2026年10月12日時点の仲値)として、上昇が何%までなら耐えられるかを示したものです。計算の前提や維持率の定義は会社ごとに違うため、あくまで目安として読んでください。

図解7:ショートのロスカットまでの上昇幅(証拠金10万円・2倍、2026年10月12日時点の試算)
取引所の基準ロスカットまでの上昇幅売値1,322万円の場合の目安
SBI VCトレード(維持率80%・現在値基準)約7.1%約1,416万円
GMOコイン(維持率75%・現在値基準)約9.1%約1,442万円
bitFlyer(維持率50%・現在値基準)20.0%約1,586万円
bitbank(維持率50%相当・建値基準)25.0%約1,652万円

同じ10万円・2倍でも、上昇7%で決済される会社と、25%まで耐える会社があります。ロスカットまでの余裕が大きい会社は、値動きの揺れに耐えやすい代わりに、決済されたときの損失も大きくなります。余裕が小さい会社は、損失が小さいうちに決済される代わりに、短期の値動きで早めに切られてしまいます。どちらが良いかは、取引の狙い方で変わります。短期の値動きを狙うなら早めの決済でも構いませんが、数日単位の下落を待つなら、余裕の大きさも見る必要があります。

証拠金を増やせば、ロスカットまでの余裕は広がります。証拠金を20万円に増やして20万円分を売る(実質1倍)にすれば、どの会社でもロスカットまでの上昇幅は大きく広がります。ショートでは、倍率を下げることが、そのまま損失の上限を管理することです。証拠金をぎりぎりまで使って建玉を大きくするのではなく、証拠金に余裕を持たせることが、ロスカットを遠ざける最も確実な方法です。

用途別フローチャート診断――あなたはどのタイプか

ここまで読んで、自分のタイプがどれに近いかが見えてきた人も多いはずです。下の診断で、自分の取引の狙い方を当てはめてみてください。診断はあくまで目安で、最終的な選択は、取扱銘柄やアプリの使いやすさなども含めて判断してください。

図解8:用途別フローチャート診断

質問1:ビットコインだけを、数時間から数日の短期で売買したいですか。はいと答えた人は、取引手数料が無料で最小注文が0.001 BTCのGMOコインかbitFlyerが候補になります。ロスカットまでの余裕はbitFlyerの方が大きく、ロスカット手数料はGMOコインの暗号資産FXが無料です。

質問2:質問1がいいえで、板取引で指値を使いながら売買したいですか。はいと答えた人は、Maker手数料が0%で最小注文が0.0001 BTCのbitbankが候補になります。指値で板に並べれば手数料はかからず、少額から試せます。ただし、信用取引の利用には申込みが必要です。

質問3:質問1も質問2もいいえで、保有コストの向きを日々確認しながら、受け取る日もある取引をしたいですか。はいと答えた人は、ファンディングレート型のSBI VCトレードが候補になります。相場次第で受け取りが出る日もありますが、支払いに変わる日もあるため、毎日の公表値を確認する習慣が必要です。

質問4:特定のアプリのまま手軽に始めたい、あるいは楽天ポイントと組み合わせたいですか。その場合は、Coincheckの「Coincheckレバレッジ」や楽天ウォレットの証拠金取引が候補になります。ただし、Coincheckは3ペア・iOSアプリのみ(提供開始時点)、楽天ウォレットは本記事でロスカット基準を確認できていないため、利用前に公式の取引ルールで確認してください。

診断の結果が1社に絞れなくても問題ありません。複数の取引所に口座を持つことは認められており、売買用と保有用で使い分ける人もいます。管理の手間とのバランスを見て、2社程度に絞るのが現実的です。取引所の選び方の全体像は取引所の選び方の記事、販売所と取引所の違いは販売所と取引所の違いの記事もあわせてご覧ください。

始める前のチェックリストと注文の手順

レバレッジ取引を始める前に、確認したい項目をまとめます。注文を出す前に、次の項目をひとつずつ確かめてください。商品名は、現物取引ではなく、どの証拠金取引サービスを利用するのか。レバレッジ倍率は、建玉金額と必要証拠金の関係を理解しているか。建玉の方向は、買いと売りのどちらを選んでいるか。証拠金維持率は、現在の維持率と計算方法を把握しているか。追証の条件は、判定時刻、解消期限、対応方法を確認したか。ロスカットの条件は、強制決済の条件と手数料、不足金の取り扱いを確認したか。費用は、売買スプレッド、取引手数料、建玉の保有コストを確認したか。

図解9:レバレッジ取引を始める6ステップ
  1. 口座を開設し、本人確認を済ませる。信用取引など、別途の申込みが必要なサービスもある。
  2. 日本円を入金し、レバレッジ取引用の証拠金口座へ振り替える。暗号資産を証拠金にできる会社もあるが、評価額は時価の50%など、所定の掛目で計算される。
  3. 商品と建玉の方向を選ぶ。現物かレバレッジか、買いか売りかを、注文画面で確認する。
  4. 数量と注文方法を決める。成行か指値かを選び、数量が証拠金に対して大きすぎないか確認する。
  5. 損切りの逆指値を置く。新規の注文と同時に、許容する損失の価格を決めておく。
  6. 維持率と保有コストを確認しながら、決済する。建玉を持ち越すたびに保有コストがかかることを忘れない。

注文方法にも注意が必要です。指値では、買う価格の上限や、売る価格の下限を指定できます。希望する価格条件を指定できる一方、相手の注文がなければ約定しません。成行では、価格条件を指定せずに売買の成立を優先しますが、急激な相場変動時には、予想より不利な価格で成立する可能性があります。逆指値は、設定した条件価格に達したときに、所定の注文を発動させる方式です。条件到達後にどの注文が出されるかは、会社の仕様によって異なります。逆指値を設定していても、必ず指定価格で決済されるとは限りません。自分で設定する逆指値と、会社による強制ロスカットは別の仕組みです。

レバレッジ取引の落とし穴5つ

第一の落とし穴は、ショートの損失に上限がないことです。買い建玉は価格が0になれば損失が止まりますが、売り建玉は価格が上がり続ける限り損失が増えます。実際にはロスカットで決済されますが、急な値動きでは決済価格がずれることがあります。ショートスクイーズといって、売りが偏った相場では、損切りの買い戻しが連鎖して急騰することもあります。「下がるときに利益を狙えるから安全」という意味ではありません。

第二は、ロスカットがあっても証拠金を超える損失が出ることです。価格が急変したとき、強制決済が予定していた条件より不利な価格で成立することがあります。証拠金10万円・建玉20万円で、実際の決済損失が12万円になれば、2万円の不足が生じます。国内の登録業者では、不足分は利用者が入金して埋める扱いが一般的です。ロスカットがあるからといって、最初に入れた金額以上は失わないと考えるのは危険です。

第三は、海外の高倍率サービスへの安易な乗り換えです。海外の取引所では10倍や100倍の倍率が選べますが、金融庁に登録していない業者が多く、日本の利用者保護の対象外です。金融庁は、無登録で暗号資産交換業を行う海外業者に警告書を出し、その一覧を公表しています。追証がない代わりに強制決済までの距離が短いなど、国内とは違うルールもあります。倍率の高さだけを見て選ぶのは避けてください。

第四は、24時間動く相場への備えです。仮想通貨の市場は夜間や週末も動きます。寝ている間に急騰や急落が起きることもあります。建玉を持ったまま放置するのではなく、寝ている間も効く逆指値を置いておくことが大切です。1回の取引で失ってよい額を、証拠金の数%以内に決めておくのが基本です。損切りの価格は「許容する損失÷数量」で逆算できます。

第五は、税金の扱いです。レバレッジ取引で得た利益も、個人は原則として雑所得の総合課税です。給与所得者の場合、仮想通貨を含む雑所得の合計が年間20万円を超えると、確定申告が必要になる場合があります。2026年の制度改正では、一定の暗号資産デリバティブ取引について、将来の申告分離課税に関係する措置が設けられています。ただし、適用には開始時期や対象取引の条件があります。2026年分の取引について、将来の分離課税を先取りして税額を計算しないでください。詳しくは税金と確定申告の記事をご覧ください。個別の判断に迷うときは、税理士や税務署に確認してください。

検証記録と出典――何をいつどう確認したか

本記事の数値は、2026年11月5日に確認したものです。GMOコインの公式手数料ページでは、暗号資産FXは取引手数料無料・ロスカット手数料無料・レバレッジ手数料は建玉ごとに0.04%/日・強制決済手数料は建玉ごとに0.5%、取引所(レバレッジ取引)はBTC・ETH・BCH・LTC・XRPが無料でその他の銘柄はMaker無料・Taker 0.03%、ロスカット手数料は建玉ごとに0.5%と明記されています。レバレッジ手数料は、毎営業日(祝日を含む)日本時間朝6時時点の建玉保有状況を基準に判定され、朝6時をまたいで建玉を保有した場合に、建玉ごとに0.04%/日の手数料が発生します。GMOコインの暗号資産FXのロスカット基準(維持率75%未満、アラート100%未満、追証判定は毎営業日6時30分時点で維持率100%未満)は、2026年10月15日時点の公式取引ルールの確認に基づきます。

bitFlyerのCrypto CFDは、公式のご利用案内で最大2倍、取引手数料無料、最小注文0.001 BTC、レバレッジポイント0.04%/日、ファンディングレートは8時間ごと、固定区間では買い建玉が0.010%を支払い売り建玉が受け取る仕組みが案内されています。ロスカット基準(維持率50%)と7日間の保有コストの試算は、2026年10月12日時点の公式情報に基づく確認値です。bitbankの信用取引は、2024年11月11日に開始され、個人の最大倍率は2倍、Maker 0%・Taker 0.1%、保有コストは建玉の0.04%/日、ロスカットは維持率50%相当(建値基準)、最小注文は0.0001 BTCで、公式の取引ルールに基づく2026年10月12日時点の確認値です。SBI VCトレードのレバレッジ取引は、最大2倍、取引手数料無料、ロスカット手数料無料、ロスカットは維持率80%以下で、レバレッジ手数料は日々変わるファンディングレート型です。2026年10月11日適用分のファンディングレートは、売りが-0.002%(受取り)、買いが+0.016%でした。

Coincheckの「Coincheckレバレッジ」は、2026年9月24日に提供が開始され、ビットコイン・イーサリアム・エックスアールピーの3ペア、最大2倍、提供開始時点ではiOSアプリのみの対応です。楽天ウォレットの証拠金取引は、Maker -0.01%・Taker 0%、最大2倍で、当サイトの2026年11月4日時点の確認データに基づきます。ロスカットまでの上昇幅の試算(SBI VCトレード約7.1%、GMOコイン約9.1%、bitFlyer 20.0%、bitbank 25.0%)は、証拠金10万円・2倍のショートで売値1,322万円とした、2026年10月12日時点の試算値です。計算の前提は会社ごとに異なるため、目安としてご覧ください。

損益の計算例で使ったビットコイン価格1BTC=1,000万円は、計算を分かりやすくするための仮定値で、実際の価格ではありません。保有コストの試算は、確認した料率からの算術計算です。手数料やルールは各社により変更されることがあるため、口座開設や取引の前には、必ず各取引所の公式サイトで最新の条件をご確認ください。関連ページとして、8社横断比較表、取引所一覧、取引所の選び方、ステーキングの解説もあわせてご覧ください。本記事は一般的な情報提供であり、投資助言ではありません。

よくある質問

レバレッジ2倍なら利益も必ず2倍になりますか?

いいえ。レバレッジは、預けた証拠金に対して大きな建玉を持てる仕組みです。価格が予想と逆方向に動けば損失も拡大します。また、取引費用やロスカットなども実際の損益に影響します。

ロスカットされれば証拠金以上の損失は出ませんか?

いいえ。相場急変や流動性不足などによって、ロスカットが想定より不利な価格で成立する場合があります。その結果、預けた証拠金を超える損失が発生し、不足分を入金して埋める必要が生じることがあります。

レバレッジ取引はどの取引所でできますか?

当サイトが掲載する国内8社のうち、GMOコイン、bitFlyer、bitbank、SBI VCトレード、Coincheck、楽天ウォレットの6社で提供されています。いずれも個人の最大倍率は2倍です。Binance JapanとOKCoin Japanは、本記事の確認範囲では個人向けのレバレッジ取引の提供を確認できていません。

建玉を長く持つと費用はいくらかかりますか?

GMOコインとbitbankは建玉の0.04%/日で、建玉20万円なら1日80円、7日で560円、30日で2,400円です。年率に直すと約14.6%になります。bitFlyerとSBI VCトレードはファンディングレート型で、相場次第で受け取る日もあります。

レバレッジ取引の利益に税金はかかりますか?

個人は原則として雑所得の総合課税です。給与所得者の場合、仮想通貨を含む雑所得の合計が年間20万円を超えると、確定申告が必要になる場合があります。2026年の制度改正による将来の分離課税は、2026年分の取引に先取りして計算しないでください。詳しくは税金と確定申告の記事をご覧ください。

タグ:レバレッジ取引、ロスカット、証拠金、取引所比較、損益計算 / 公開日:2026-11-05

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